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シャネル 2022-23年秋冬コレクション - ツイードに見る無限の可能性

シャネル(CHANEL)の2022/23年秋冬 プレタポルテ コレクションが、フランス・パリにて発表された。今季はシャネルの歴史を彩ってきたメゾンの代名詞的な素材、ツイードをフィーチャーしている。

シャネルの代名詞“ツイード”の無限の可能性

かつてガブリエル シャネルが、世の中の女性がより気軽にエレガントなファッションを楽しめるようにと、世に送り出したシャネルスーツ。そこに用いられていた素材が、その当時は女性服に使用されることがなかったツイード素材だった。女性たちを熱狂させたそのスタイルは今に受け継がれ、ツイードなしにシャネルを語ることはできない。アーティスティック ディレクターのヴィルジニー ヴィアールは、そんなツイード素材に今一度目を向け、無限の可能性を切り開いた。

ツイード素材のルーツをたどる

スコットランドに流れるツイード川周辺で織られていたことからその名が付けられたツイード素材。今季は、その由縁から、ツイード川周辺、スコットランドの田園風景にインスピレーションを得たカラーパレットが採用されている。ブルーやパープルの斑が入ったピンクのロングコート、ゴールドが煌めくバーガンディのスーツは、スコットランドののどかな風景と同じく心に灯をともすような温かみを感じられる。

他方、サイケデリックなカラーパレットは、現代的な要素のひとつ。斬新と感じたのは、ミニスカートに合わせた厚手のロングソックスやサイハイブーツで、ツイードのスーツやドレスとのバイカラーによって現代的なスタイルを完成させている。

シャネルとウェストミンスター公爵の話から――

かつて女性たちが、煌びやかなドレスに身を包んでいた時代、シャネルが恋人であったウェストミンスター公爵のツイードのジャケットをマニッシュに着こなしていたというのは有名な話。そのことについてヴィルジニーは「愛する人の服を身に着けるのは何よりもセクシーなこと」だと話す。

ランウェイでは、その象徴的なスタイルも継承され、スリムでエレガントなスーツがある一方、肩パットが入ったボーイッシュなコートやジャケットも登場している。しなやかなレザーのセットアップとポインテッドトゥのパンプス、エレガントなツイードのスーツとラバーブーツなど、蘇ったアイコンは、意外性のある組み合わせによって新鮮味を帯びた。

ツイードとガブリエルが愛するスタイルコード

ツイードを引き立てる、あるいはツイードと相乗効果で魅力を増す、ドレープの効いた柔らかなテクスチャーのドレスやスカート、ワイドパンツもまた、ノンシャランなガブリエルのスタイルを受け継いでいるのだろう。ある時は、ジャケットに袖をあえて通さず着こなしてみたり、ショールのように羽織ってみたり……。“お決まり”のチェーンバッグも、決して気取るわけではない、肩の力が抜けたデイリーユースなワードローブへと導いている。


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